牛床詣所

 くっきりした陰影の後は物の輪郭がぼんやりとかすむ梅雨。まだ梅雨というには早いですが、晴れがあまり続かない今年はなんだかそろそろ梅雨になりかかっているような気がします。作物によりますが、寒さが遅くまで残ったうえに晴れが続かない今年は農家にとっては少し厳しいようです。

  シャクナゲが咲く梅雨入りころ、屋久島では各集落で岳参りが行われます。海から山へ、里の代表が参るのですが、その間、里の人は里近くの詣所で待っています。今ではあまり人の訪れないその詣所にはいろいろな石塔。それぞれが昔の人の祈りの形です;。

  雨が少なかった5月も終わり、ようやく梅雨入りの屋久島。水の島が一番それらしい、でも人間には少し暮らしにくい季節の到来です。

 ひとがあまり訪れなくても花は咲き、苺は実をつけます。ひとの手が入っていない場所で出会う花や実のほうがなんだか貴重な気がしてしまいます。

川さつき

白谷通信 芒種の頃